11月22日

30年ほど前に、それらしく描いた絵は、それらしい感じになるように描いた。ポップな感じ

になりたかった。センスがよさそうな、意味が適度に分散するように。

だから、塗りつぶしが多くなった。見ているうちに、何にも見えなくなる手前まで、黒か白で

塗りつぶす方が、感触がよかった。感触がいいというのは食事で言えば、おいしいという。

おいしく見えるかどうか、という。おいしいということについて、調理人みたく、分解して考えるということはしなかった。私の絵は、そこそこ絵心のあるという、そういううまさだ。

だけど、おいしく見えるという絵ではなかったので、そこが自分で密かに気にするところだった。絵の具が、アクリルだとかえんぴつだとか、材質を主張してくれてもいいんだけど。

でも、おいしくみえるかどうかは、もういいことになった。